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風景画

屋根瓦、格子窓などの彩色の仕方

今日は組み合わされて、ある程度大きな存在になっているものの彩
色の仕方についてお話します。

絵の描き方は人それぞれ、十人十色という言葉のように十人いれば
十通りの描き方でよいのですが、私が教わって、なるほどよい方法
だと感じたものを紹介します。

具体例として、屋根瓦、窓の格子、玄関の引き戸、竹製ののれん、
竹製のかごなどを想定してください。

伝統的な日本家屋の屋根は、一枚一枚の瓦を順番に少しずつ重ね合
わせながら敷き詰めて作られています。見上げたり見下ろしたり、
また見る角度によって横の線がきわだって見えることもあれば、縦
の線がよく見える場合もあります。

また窓や引き戸の格子は、積み木細工のように2、3種類の大きさ
や長さの異なる細木を組み合わせて、それらの繰り返しで作られて
います。

そこの部分だけに絞っておもしろさを描く場合には、もちろん一枚
一枚、一本一本ていねいに描かなければなりませんが、問題はそう
でない場合にはどうしたらよいか、です。

まず、全体的に見て感じられる薄い色を塗ります。基調色は一つで
もここの部分は青味がかって見える、この辺りは黄味がかっている
といった具合に色の混ぜ具合を少し変えながら塗るとよいでしょう。

その下塗りがよく乾いてから細工の部分に入りますが、きわだって
見える部分だけ所々描きます。端から端まで全部描くと、くどく説
明的になりすぎて、かえって窮屈な絵になります。

鑑賞する人に想像の余地を残した方がゆとりの感じられる絵になる
でしょう。

よく師匠から教わった言葉の一つに次ぎのものがあります。
中世の能楽者、世阿弥の『風姿花伝』の中の一節「秘すれば花なり、
秘せずは花なるべからず」というものです。

よい言葉ではありませんか? 手を抜きなさいというわけではない
ですが、全部描かなくてよいのです。

でも注意しておきたいことは、まあるいところはまあるく、板のよ
うに平板なところは平坦に筆を動かします。

また、明るいところと暗いところの差を意識すると、絵にメリハリ
ができて上手に見えます。なかなかむずかしいところですが、心が
けましょう。

今日はかつて藍染めで栄えた徳島県脇町の商家を描いています。
 


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